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CREATORS EYE

Vol 17
2015.08.07

BEARDSLEY 2015 Autumn&Winter Collectionを語る

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まだまだ暑さに悩まされる季節ですが、ファッションは秋にむけての提案が始まっています。
今回は【BEARDSLEY】立ち上がり時からブランドにかかわり現在もイメージ発信している松田ディレクターにこの秋冬のイメージやご自身が今気になっていることなどをお聞きします。

BEARDSLEYをはじめた頃のこと

Q:ブランド立ち上げからかかわっているとのことですがその当時のお話を聞かせてください。

A:以前自らが店長をしていたSHOPでは、ゆるやかな曲線をいかした着心地のよいアイテムが、パリの雰囲気が好きな30代~40代のお客様に人気で私自身も好きでした。なのでその部分をいかしたブランドを作りたいと思ったのです。

こだわったのは“ハンドワーク感”や“パーツにこだわるモノ作り”“優しい色合いのプリント”など。今でもブランドらしいモノ作りのテイストとして、変わることなく大切にしている部分です。

また、ただお買いものをしていただくだけではなく、憧れのパリの雰囲気を感じながら居心地のよい空間でリラックスしてその時間を楽しんで欲しい…という気持ちから、“パリのアトリエ”をイメージしたお店作りにもこだわりました。

本物のアンティークの什器や照明もシャンデリアにこだわるなど、従来のお店作りでは取り入れない要素を形にしていくのは大変でしたが、今もお店作りにかかせないアンティーク家具を扱う【ボワズリー】との取組みなどで、イメージする『緊張感のないここちよい空間』を各SHOPごとに個性をいかしながら作り続けています。

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1号店の自由が丘店のコンセプトは“アトリエの中庭”。
全15店舗のアトリエにつながるパティオのイメージ。

Q:【BEARDSLEY】としていつも心がけているブランドらしさとは?

A:パサっと着てもサマになる着やすさでしょうか?雰囲気のある服は1枚だけで主役になります。

そのためには先ほどもあげた、立ち上がり時からのこだわりである“ハンドワーク感”や“パーツにこだわるモノ作り”はとても大切なポイントだと思っています。他の人とは少し違う、着ていて褒められる服であるように心がけたいとも思います。初めて着たときからその人らしさが引き立つような着心地のよさと、他にはないこだわりを感じていただきたいです。

パリで感じること

Q:パリにはお仕事で訪れることが多いと思いますが、おすすめの場所などあれば教えて下さい。

A:以前もこのコラムで紹介しているのですが… パリ東北部に流れるサン・マルタン運河近くにある【Du Pain et Des Idées(デュ・パン・エ・デ・ジデ)】 というパン屋さんがおすすめです。

おしゃれな雑貨屋やブティックも多く、散策するのに楽しいエリアなのですが私の場合は、仕事で訪れることが多いのであまりゆっくりはできなくて。何件ものアトリエにバイイングに行ってランチもとれず過ごした午後に、仕事終わりにここでいただくパンとコーヒーが本当に美味しくて!時間に追われるバイイングの時も、この至福の時間が待っていると思うと乗り切れるのです。

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美味しいパンとコーヒーをいただく瞬間が
忙しい出張での楽しみに。

もう一軒、(こちらも春夏のカタログでも紹介しているのですが)デッドストックのユーロミリタリー生地や素材を元にエレガントでアーティスティックなコレクションを展開するデザイナー【イヴ・アンドリュー&ヴィンセント・ジャルベール】のアトリエにバイイングに訪問した際、教えてもらったガレット屋さんの【 MadEo(マデオ】もおススメです。素材もブルターニュ産のオーガニックのものを厳選して使用しているため、味や素材に厳しいフランス人も納得の実力店です。ガレットの美味しさはもちろん、シードルは濃厚で芳醇な味がたまりません!

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ブルターニュ産のリンゴで作られたシードルは
忘れられない味。

Q:パリの女性が素敵だなと思うところはどんなところでしょうか?

A:自分がよくわかっている、自分をもっている部分が素敵だと思います。 洋服なども沢山持っている訳ではないのに、工夫してアレンジして着こなしているのがとてもサマになります。

従来は喪服だった黒い服を1920年代にシャネルが日常着として取り入れたことからの歴史でしょうか? 黒い服がとても似合うところも憧れます。

今シーズンの【BEARDSLEY】のこと

Q:今シーズンは『INTERIOR DECO』がテーマとのことですが、どんなイメージなのか教えてください。

A:今シーズンのテーマを考えていた時、ちょうどテロなどの悲しいニュースが世界で多く報道されていて気分的に旅やどこかの国をシーズンテーマにするよりも、生活を楽しむといった『家』を切り口にした内容がよいかもと感じました。

仕事で訪れるたびに目に触れていた、海外の部屋の壁紙とかカーテンやタッセル、家の入口にある門や手すりにあしらわれたレリーフとか…お部屋の模様替えをする感覚でお洋服が変化するのも面白いかもと。ワッペンのようなモチーフやペイントした感じのプリントなども、どことなくブランドの一貫したテーマである『ハンドメイド感』に繋がっていく感じがしたのです。

代表的なアイテムとしてネックレスにもコサージュにもなるフラワーモチーフ付きのブラウスは、コサージュを止める位置によって表情が変化し、取り外せばシンプルにも着こなせます。

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ネックレスにもコサージュにもなるフラワーモチーフ付きブラウス。

そのほかにもハケでペンキを塗ったようなデザインを施したブラウスは壁のペイントをイメージして作りました。インポート小物もテーマのイメージでバイイングしています。

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ハケでペンキを塗ったようなデザインを施したブラウス。「MUHLBAUER」の帽子はホワイト顔料でペイント。

8/8からは『WALL DECO』をテーマにコレクションが展開しています。この時期はスタッフが手作りしたコサージュをディスプレイしたりお買い上げの方のショッピングBAGに飾ったりと楽しいイベントになっています。8/16までの開催ですが、是非SHOPにお立ち寄りください。

こだわりの1品

Q:仕事の時必ず持っていくものや毎日取り入れているものがあれば教えてください。

A:1品ではないのですが、毎日のコーディネートに必ずアクセサリーを合わせるようにしています。海外の女性が常に女性らしくて素敵なのは、アクセサリーのポイント使いや重ね付けが上手だからではないでしょうか?

自分もそんなおしゃれを楽しみたいと、とてもカジュアルな装いの時や、海外出張の時なども必ずアクセサリーを身に着けるようにしています。

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上品に仕上げたい時の「ぺトラ・ドミリング」のパールのピアスとリング。ポイント使いには、「パスカル モンボワソン」のシルバーアクセサリーがおすすめ。

 

かわらぬ気持ち

Q:仕事や日常でこだわっていることを教えてください。

A:コミュニケーションを大切にしています。

チームでブランドを作っているので、スタッフを信頼しそれぞれの良い部分が引き出せるような環境を整え、自分自身もしっかりとした意思をもちながら、きちんと話をして向き合うことでコミュニケーションを取ります。

また、お客様に楽しんでいただけることは何かと、常に思いを巡らせています。
お客様とブランドが共有する時間を大切にしたいという思いは、ブランド立ち上がり当初から変わらず続く気持ちです。

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着こなしのワンポイントアドバイス

この秋楽しみたいコーディネートに取り入れられるアイディアを松田ディレクターに伺いました。

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■丈のバランス
ボリューム感のあるバギーやワイドパンツには丈の短いトップスを合わせてバランスよく。スタイルよく着こなすにはトップスとボトムのバランスが大切です。

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■アクセサリー使い
チュニックなどの長めのトップスにはネックレスを合わせてタテのラインを作ります。ボリュームのあるトップがポイントのネックレスを合わせるだけで、おしゃれ感がアップします。

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■袖口のロールアップ
ゆるりとしたシルエットのブラウスが主流の今期は袖口をロールアップして自分に合うバランスを見つけるのが、今年風の着こなしにつながります。

松田志穂 / ビアズリー ディレクター

〈BEARDSLEY〉ディレクター2007年〈ビアズリー〉を立ち上げ、デザインからショップの内装、セレクト商品の買い付けなどブランド全体のディレクションを担う。パリやアンティーク家具にも精通。

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