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CREATORS EYE

Vol 14
2015.04.20

ボタニカル!ベジタブル

パリの“マルシェ”といえば新鮮で色鮮やかな野菜やフルーツがところ狭しと並ぶイメージ。4月『ビアズリー』の店頭は、テーマである“マルシェ”にちなんで生地のプリントや染色に、野菜やフルーツが用いられています。
せっかくなのでこの機会に、野菜のプロの方のお話を聞いてみたい!と今回は働く女性や子育て中のママたちに人気の『ベジターレ』主宰の向後さんに、美味しい野菜の見分け方や旬の野菜のことなどお話をお聞きしました。

『ベジターレ』をはじめたきっかけ

Q:『ベジターレ』をはじめたきっかけを教えてください。

独身時代は仕事中心の生活で毎晩終電を超えるほどの忙しさの中、食事は出来合いのお弁当やインスタント食品ですませることもありました。そんな生活ののち結婚・妊娠を経験。2006年に長女を妊娠した際はひどいつわりで大変な思いをしたのですが、色々と調べていくと普段から野菜を中心に添加物をあまり食べていない友人は、つわりが軽いことに気が付きました。

出産を経験し子育てもする中、日々の食生活を見直して野菜中心にしたところ、お通じや肌荒れも解消し体調を崩すことが少なくなりました。その後第二子の長男を授かった際に、ずいぶんとつわりが軽くなったことにも気づきました。

子供の為に野菜の栄養価や産地・土作りのことなども興味をもつようになり、自身でもベランダで野菜作りをするようになり…見事にはまりました!自分で育てた野菜は香りや風味、新鮮さをそのまま味わうことができて何より美味しいこと、自分で育てる野菜の可愛さ、子供たちがすすんでお手伝いしてくれることも喜びになりました。

美味しい野菜のお取り寄せなどにもハマり、ママ友のお家に伺う際お取り寄せ野菜に自分でラッピングしたものを持参してみたらそれが大好評!普通はスイーツなどが多い手土産ですが、美味しい上に体に良い野菜にしたことで大変喜ばれたことが嬉しくて、何か自分にできないかと考えるようになりました。

生産者の方が丁寧に育てた野菜を“ギフト“として贈るのはどうだろうと思いたち、自ら産地にも出向いて生産者の方とも話合い、現在『ベジターレ』でご提供している“べジギフト“をWEB販売することにいたりました。

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『ベジターレ』で扱う野菜や果実の
素材をいかした人気アイテム

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野菜を通じて喜びを感じたことが
『ベジターレ』をはじめたきっかけ

主な活動内容

Q:現在『ベジターレ』ではどのような活動をされていますか?

食の安全性への高まり、健康面における野菜の重要性、食育への関心、美=食(素材)へのこだわりを追求し、「旬」の野菜や果実を食べて、日本の四季の変化を楽しむと共に人生をも豊かにする、そんなベジライフを楽しんでいただけるよう野菜や果実のギフトの販売を行っています。

たとえば5月の母の日には食べられるカーネーションをギフトに用意したところ、「大切な人にいつまでも健康でいてほしい」という思いが伝わり、贈った方にも贈られた方にも大変喜ばれて、毎年好評のギフトとして扱うことになりました。(新宿伊勢丹・銀座三越、ベジターレWEBショップで販売中)

また生産者さんの作った美味しい野菜や果実をジュースやジェラートやスープなどにすることで、より皆様へ知っていただく機会を作る事にも力を入れています。生産者さんが大切につくられた野菜や果実の素材をいかしてアレンジすることで、少しでも多くの方にその産地を知っていただき地域の活性化に役立てればと思っています。

福井のブランド野菜“越前トマト“を100% 使用し、1本に約10個分のトマトの旨みと栄養がつまっている『トマトクリスタル』という黄金に輝くトマトジュースを販売した際は、当初「赤くないトマトジュースなんて本当に売れるのだろうか」と産地の方からは半信半疑に思われたところもありました。しかし、徐々に販路が拡大し、三ツ星レストランやANAのファーストクラス搭載、観光庁からは「世界に通用する究極のお土産」受賞するなど、お客様の喜ぶ反応を産地の方が肌で感じることで、今では生産者さんにも大変喜んでいただいております。

生産者さんが思いを込めて丁寧に作ったものを“ギフト“という付加価値を付けて、私自身もお客様へ丁寧にお伝えしていきたいという気持ちで、商品開発などにも積極的にチャレンジしています。

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手前が『トマトクリスタル』
そのまま飲んでもお料理やお酒と割っても美味しい

旬の野菜

Q:旬の野菜とその効果を教えていただけないでしょうか?

自然の恵みとはうまくできているものでこの時期「旬」といえる野菜は、ふき・せり・たけのこ・アスパラ・キャベツ・豆類など、独特のにがみやえぐみの強いものが多いのですが、これらは冬にため込んだものを外にだすデトックス効果があります。

夏は身体にたまった熱を外に出してくれるきゅうり・トマトなど、秋は夏の疲れやダメージを取り除き体調を整える根菜・イモ類・きのこなど、冬は体を温める効果がある白菜やカブ・にんじん・大根など…。

最近ではシーズン問わず口にできる野菜や果実は少なくありませんが、「旬」のものには通常より約3倍の栄養価があると言われます。「旬」の野菜や果実をとることは身体にとって、とても大切なこと。是非、積極的に取り入れていただきたいです。

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『べジアレンジメント』は旬の野菜や
果実、食べられる花が添えられている

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べジブックで美味しい野菜の食べ方なども紹介

こだわりの1品

Q:仕事の時必ず持っていくものや毎日取り入れているものがあれば教えてください。

先にあげた「旬」の野菜や果実もそうですが、日々口にするものも身体が喜ぶものを選んでいます。

毎朝、口にするのが『magica(マヒカ)ハニー』というアルゼンチンの高品質のはちみつで、もう5年以上コーヒーに入れたりパンに塗っていただいたりしています。抗菌力にすぐれ風邪予防などにもおすすめです。

もうひとつは『京桑茶』という桑の葉のお茶で仕事の時もこれを飲んでいます。桑の葉はダイエットやアンチエイジングに効果があり栄養分が豊富で、牛乳の約24倍のカルシュウム、納豆の約15倍の鉄分が 含まれるといいます。

健康第一、明るく元気に過ごしたいので自分が納得した身体によいものは、毎日取り入れたいと考えています。

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毎日かかさず口にする
『 magica(マヒカ)ハニー』と『京桑茶』

かわらぬ気持

Q:仕事や日常でこだわっていることを教えてください。

仕事もプライベートも、常に感謝の気持ちを忘れずにいたいです。「ありがとう」と言っていただけるのは嬉しいし、自分もまた「ありがとう」という言葉を相手に伝えたい。

新しいことにチャレンジする気持ちも忘れずにいたいと思います。

この仕事を通じて生産地のみなさまやお取引先やお客様へ感謝の気持ちを忘れず、そして「まだまだできることはある!」と信じて、新しい取り組みへもチャレンジしていければと思っています。

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常に新しいチャレンジを

美味しい野菜の見分け方

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向後さんに簡単な美味しい野菜の見分け方をおしえていただきました。

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●ピーマン・パプリカ・レモン➝全体につやがあり
張りがあるものが新鮮

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●アスパラ➝緑色が濃くつややかで切り口が変色
していないもの

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●カリフラワー・ブロッコリー➝
ギュッと実のつまっているもの

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●豆類➝ぷっくりと張りがある

●その他
キャベツ➝芯が500円玉くらいまでで外側の葉が色濃いグリーンのもの
きゅうり・なす➝全体に張りがあり、トゲがさわると痛いぐらいのもの
にんじん➝全体的に色が濃くつや張りがあって中芯の直径が小さいもの

向後容代 / ベジターレ主宰

ベジターレ主宰。野菜や果実を通じて日本の美味しいやこだわりを広めるベジターレ。黄金に輝くトマトジュースや野菜の
アレンジメント、とれたて野菜と果実の生ジェラートなど、価値ある野菜を素敵なギフトに仕立てたベジギフトが大人気。
野菜を楽しく育て、楽しく食し、野菜の持つビタミンカラーを観て元気になれる「楽育食観(RISM)」を伝えるベジデザイナーとして活動中。9歳、6歳の2児の母。

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