


新緑の季節が近づいてきました。足取りも軽やかに、インド刺繍の世界に身を投じてみましょう。 “RENCONTRÉ(いろいろな出会いと繋がり)”をテーマにしている今シーズン。今回は作り手から使い手へ、また形を変えて他の誰かの手に渡り、大切に継がれていくであろう手仕事、なかでもインドの刺繍をテーマにお届けします。ビアズリーの長年のテーマでもある旅、異国への想い…華やかさの裏にその土地土地の暮らしのバックグラウンドを内包する奥深いインド刺繍と優しいコットンの感触をお楽しみください。
ビアズリーの魅力のひとつとして欠かせないのが、手仕事のぬくもりを感じさせる刺繍。そこで、ブランドディレクター松田志穂さんに「手仕事(刺繍)の魅力」について伺いました。「20代の頃から、小さなパーツや刺繍の端切れ、アンティークのボタンなどを集めるのが好きでした。インドのグジャラート刺繍の生地を見つけて巻きスカートにしたり、インド更紗の美しい生地に出会った時は衝撃的で、タペストリーにしてインテリアとして楽しむことも。ただただ、その美しさに惹かれていきました。数年前にパリでの散策中に見つけたINJIRI。世界観に吸い込まれるような出会いは、今思い出してもワクワクします。刺繍の配色にはパワーがあり、フォルムには心地よい優しさがあって、着るだけでドラマティックな気分に。今後も世界各国の刺繍を取り入れていきたいと思っています」。
色使いやモチーフ、ステッチの入り方や模様の大きさによって、唯一無二な表情をみせる刺繍。ビアズリー が展開する多種多様な刺繍コレクションもお見逃しなく! ワンポイントとしての刺繍使い が心踊るアイテムから、全面に刺繍が施された主役級アイテムまで。普段のトップスやボトムに合わせるだけで、見た目に美しく、晴れやかな気持ちになれそうです。また、装いに個性を添えてくれるクラフト感のあるバッグやシューズ、アクセサリーも豊富に揃います。自分だけのお気に入りを見つけて、この夏のおしゃれを満喫してみてはいかがでしょう?
GUJARAT
グジャラート刺繍
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SOZNI
カシミール / ソズニ刺繍
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KANTHA
カンタ刺繍
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さまざまな場所で、その土地土地の文化や風土から生まれる刺繍の手法。インド各地でもさまざまな技法がありますが、代表的なものの一つが「グジャラート刺繍」。インド最西端に位置するグジャラート州は、砂漠の多い乾燥した地域。布の傷みが激しいため、パッチワークや刺繍の技術が発達したのだとか。交易が盛んな地域で裕福な商人が多かったことから、ミラーを縫い込んだ豪華な刺繍が生まれたそう。パシュミナなどのストールに繊細なニードル刺繍を施した「ソズニ刺繍」は、精密画のような繊細なデザインで世界的にも人気。手作業による精緻な刺繍はさながらアート作品のようです。対して、素朴な味わいが魅力の「カンタ刺繍」はガンジス川とブラマプトラ川の下流に位置するベンガル地方で生まれたもの。一説によると、古くなったサリーを重ねて刺し子(カンタ)刺繍を施し、主に赤ちゃんのおくるみや敷物として家の中で使ったのが起源といわれています。
刺繍コレクションの中でもひときわ目を引く「INJIRI」は、インド・ジャイプールのブランドです。インド各地の伝統的なスタイルと、世界中の民族文化をイメージソースに、巧みなハンドメイド技術を活かして、手仕事の温かみと繊細さを表現。手織りコットン生地の柔らかい風合いに大胆な染め、イエロー、ピンク、ブルーなどさまざまな色であしらわれたジャムダニ織など、遊び心とクラフトワークが融合したデザインです。