


「ステイホーム」という言葉もすっかり定着しつつある昨今、今まで以上に家の中の暮らしを大切にするようになった、楽しむようになったという声を聞きます。そこで、今だからこそ楽しめるおしゃれを前向きに考えよう、ということで生まれたのがビアズリー流「家事服」です。ビアズリーのお客様にアンケートをとったところ、「ビアズリーの服は宝物だから、家事の時は着たくない」という声もありました。大切に着てもらえているんだなあ、とブランドとしてはとても嬉しいお声でした。でも、だからこそ、ビアズリーで毎日の家事に着てもらえる服を作ろう! と、機能性とビアズリーらしい遊び心にこだわりました。基になったのは、「こんな家事服があったら嬉しい」というみなさんの声。例えば、ブルーのチュニックは前後どちらでも着られてボタンがついているほうを前にすると羽織りにもなり、買い出しや犬の散歩などの0.5マイルウエアとしても活躍。ポケットはパイル地になっているので、インターフォンや電話対応時にもさっと手を拭けるんです。ビアズリーの家事服でいつもの料理もお掃除もストレスなく、あわよくばちょっとウキウキしてもらえると嬉しいです。
今シーズンのテーマ「RENCONTRÉ」(出会い、繋がりを意味するフランス語)を、家の中で感じる瞬間は?ブランドディレクターの松田志穂さんに聞きました。「ビアズリーのお客様と話していると、料理やインテリアといったライフスタイルにこだわり丁寧な暮らしをされている方が多いなと数年前から思っていました。私自身は丁寧な暮らしといってもなかなか難しく、買った服を定期的に整理してメンテナンスする、古くなった食器を植物の器に再利用する、といったことをコツコツとやっているくらいです。整理すると次に何が必要かが見えるので、新たな出会いに自然と繋がる気がします」。
クリームソーダにレモネード、スイカにさくらんぼ……いくつになってもカラフルで美味しい食べ物には心ときめくもの。この夏は、食べ物にまつわるモチーフ使いで遊び心を満喫しませんか?遠くから見ると幾何学柄に見えたり、パッと見には気づかないくらいの小さい刺繍だったりするので、大人も気後れせずトライできます。01/大人気のオリジナルプリントスカート、今季は喫茶店モチーフで登場します。テーブル&椅子を散りばめ、裾にはレトロなロングエプロン姿のメイドさんがずらりと並ぶユニークなデザイン。よく見るとテーブルには甘味が載っています。02/グレイッシュカラーのTシャツの胸元に、小さなクリームソーダの刺繍。明るいグリーンイエローのパンツを合わせてシュワっと清涼感のある装いに。03/レモネードのワンポイントが可愛い白Tシャツと、淡いイエローのたっぷりギャザースカートで夏の日差しに映えるカラーコーディネートに。スカートはウエスト総ゴムでストレスフリーです。04/ネイビーののワンピースは裾の切り替えがポイント。フルーツ柄を刺繍したチュール素材に、裏からストライプ柄の生地をあてて透け感を生かしました。
幼い頃から家族でデパートの食堂や家の近所にある喫茶店を訪れると、脇目も振らずに「メロンソーダ!」と声をあげていたものです。メロンというどこか詩的な言葉の響き。シュワシュワ弾けるソーダ水と甘やかに溶け合う涼やかな緑色のフレーバー。白い小山のアイスクリームの上に、ちょこんとのった可憐な赤いさくらんぼ。ちょっぴり刺激的に視覚と味覚を楽しませてくれる鮮やかでドリーミーな飲みものを味わうひととき、遊園地のメリーゴーランドに揺られているのと同じようなときめきを感じていたのでしょう。幸福な記憶は大人になった今また再び花開き、グラスの中で緑に輝く冷たい宝石に魅せられています。メニューにメロンソーダを見つけると、童心に戻り嬉々として注文し、多幸感に満たされながらうっとりと夢見心地に味わうのです。
PROFILE
甲斐みのり Minori Kai
レトロで素敵なものに詳しい文筆家。
旅、お菓子、クラシックホテル、建築などにまつわる著書多数。
写真提供 : 甲斐みのり
取材協力 :MUYA(http://muya.shop/)、喫茶ゾウ(http://www.zoumeshiya.com)
洗練された華やかさの黒花柄マキシ丈ワンピース、気持ちを明るくしてくれそうなカラーリングのレザーメッシュ素材バッグに同素材のフラットシューズ……軽やかな素材感や楽な着心地で、暑い季節を心地よく彩る服と小物をピックアップ。おしゃれも快適さも抜かりないこんなアイテムで、大人の夏スタイルを楽しみましょう。